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ヴァン・モリソン~Van Morrison ディスコグラフィー6 [Van Morrison]

ヴァン・モリソンのディスコグラフィの第6弾です。

第1弾 第2弾 第3弾 第4弾 第5弾 第7弾 第8弾 第9弾
おまけ

※RC…レコード・コレクターズ1991年3月号、ST…ストレンジ・デイズ2008年5月号。
※個人的評価は、
★★★★★ 歴史的名盤
★★★★   傑作
★★★    好盤
★★      ヴァン標準
★       ヴァン標準以下
として、やや辛口目に採点しますが、今後、聴き込んでいくうちに評価が変わるでしょうし、僕のコメントにもちょくちょく修正・補足等が加わるということをご了承ください。

「Avalon Sunset~アヴァロン・サンセット(1989年)」

アヴァロン.jpg

<マーキュリーからポリドールへの移籍第1弾。前作「アイリッシュ・ハートビート」でのトラッド志向はやはり一過性の企画ものだったようで、この「アヴァロン・サンセット」は見事にオーソドックスなヴァン・モリソンぶりを聞かせてくれる。で、かつ、彼の数多い作品の中でも最も穏やかな気配が漂うアルバムである。我々は彼に対してやたら「ソウルフル」という常套句を使いがちだが、「ソウルフル」という人間の状態あるいは唱法は、攻撃的で性急的であることがあることが多い。だが、ゼムでデビュー以来、二十余年歌い続けてきたヴァン・モリソンは「ソウルフル」をも突き詰めれば、穏やかさや優しさに解体できることをこのアルバムで見事に証明している。そして、僕はこの入魂(ソウルフル)と穏やかさとの関係は、あのエンヤの在り方に共通するものを感じてしまうのだ。
クリフ・リチャードがゲスト参加しているA1(①)は、一聴するとごく一般的なポップ・チューンのようだが、タイトルからもわかるように神に対する敬虔な想いを歌ったゴスペルで、以降の曲もすべて宗教的な側面を持っている。そんな中で、ストレートなラヴ・ソングとも解釈できるA4(④)はMOR寸前のそれっぽさもあるが、とにかくひたすら感傷的な気分にしてくれる名曲だ。そして続く朗読調のA5(⑤)のゆったりした、包み込むようなタッチには、いつまでも浸っていたいくらいだ。名盤である(RC・小林慎一郎)>
<クリフ・リチャードと軽やかにデュエットする①で幕を開ける本作は、幾度目かの絶頂期への助走となった。旧友であるジョージィ・フェイムが新たにバンドに加わり、音楽監督としての役割を果たすことになったことで、音楽にフレッシュな空気が戻ってきたことも大きい。そして愛する者に優しく問いかけ、人生の意味を探求するバラード④の慈愛に満ちた響きは、ヴァンとともに歳月を重ねてきた人々への贈り物となった(ST・小尾隆)>

[目]
冒頭、軽やかなピアノのフレーズを聞いただけで、「何か違う」と感じる。
もちろん、「違う」とは、良い意味でだ。
ポリドールに移籍したからか、前作でアイリッシュ・ルーツを思う存分発揮できたからか、本作には何か吹っ切れたように穏やかなヴァン・モリソンがいる。
上記レヴューで久しぶりに「MOR(気軽に聴ける親しみやすいポップミュージック)」という言葉を目にし、そこから「AOR(20歳以上の大人向きなロック音楽。騒々しさを抑えた都会的でイージーリスニングやMORに近いロック)」という言葉も久しぶりに思い出した。上記で「MOR寸前」とMORであることを否定しているが、何故かと言えば、そういうレッテルを貼られるとロック・アーティストとしては死をも意味されるものであったからでしょう。ただ、僕は前々作で完成させたヴァンの路線はAORと言っても言い過ぎじゃないように思います。
そして、本作ではそうしたAOR路線の経験をも糧にして、これまでのヴァン・モリソンの集大成かつ今後のサウンド・スタイルを決定付けるようなアルバムになったように思います。
良くも悪くも90年代以降のヴァンのアルバムは、時にいろんなジャンルのテイストを取り入れたり、重厚になったり軽くなったり、洗練されていたり泥臭くなったりしつつも、本作(及び次作)で確立されたサウンドを踏襲している気がします。まるで90年代以降のプリンスのニュー・アルバムが高品質でありながらも驚きを与えてくれなくなったように、ですが、プリンスに求められていたものとヴァンに求められているものは違いますからね。
ちなみに上述のレビューにある④「ハヴ・アイ・トールド・ユー・レイトリー」は前々作の「サムワン・ライク・ユー」と同じようなサウンドであり、レヴュアーが触れてはいませんが、宗教色も多少あります。そうした宗教色すら自然体で表現できるようになったということでしょう。
近年の大人向け(?)の音楽から、より幅広い層へも訴えることのできる開かれた音楽へと深化したことによってか、全英アルバム・チャートでは13位とヴァンの最大のヒットとなりました。
それにしても、わずか42分ほどで全10曲。相変わらず、この辺の頑固なアナログ感覚が物足りないと感じる若い人も多いのかもしれませんが、個人的にはこれくらいでもちょうど良いと感じる。

個人的評価 ★★★★

「The Best Of Van Morrison~ザ・ベスト・オブ・ヴァン・モリソン(1990年3月)」

ベスト・オブ・ヴァン・モリソン.jpg

<89年にヴァンのエグザイル・プロダクションとポリグラムが全世界配給権を結んだことから、90年にリリースされたデッカ(ゼム)~バング~ワーナー~カレドニア・プロ(エグザイルに改名)のキャリアをまたいだ音源で編集された作品。
サントラのみの収録曲「ワンダフル・リマーク」が目玉だった。ヴァンのアルバム中、最も売り上げの多い作品で、イギリスでは一年半もチャートインした(ST・赤岩和美)>

[目]
第1弾の冒頭で述べたように、僕が今回のヴァン・モリソン三昧のキッカケともなったアルバムです。
冒頭は傑作「イントゥ・ザ・ミュージック」のオープニング曲でもある「ブライト・サイド・オブ・ザ・ロード」で軽やかに幕を開けますが、次にゼム時代の代表曲である「グローリア」へと続いたことが個人的には大きかったです。
以前、述べたように僕のヴァン・モリソン原初体験の印象は「洗練され過ぎていてつまらない」というものだったため、ここで80年代以降の曲が続いていたら同じような印象を持ったかもしれませんが、いきなり若々しい荒々しいシャウトを聴かされたため新鮮だったのです。
そして、ジャズ・テイストを取り入れた代表曲「ムーンダンス」へと続き、そしてまたゼムの曲、次に洗練された「ハヴ・アイ・トールド・ユー・レイトリー」、そして「ブラウン・アイド・ガール」へという流れで一気に惹かれました。
前作のスマッシュ・ヒットによって、一般のリスナーの関心を引いたのか、全英4位というヴァンのアルバムとしては初めてトップ10ヒットとなりました。
とにかく、初めて聴く人にお薦めです。
あ、そういえば、ファンに人気のある「サムワン・ライク・ユー」はこのベスト盤にも、続いて出されたVol.2にも入っていません。

個人的評価 ★★★★☆

「Enlightenment~エンライトンメント(1990年10月)」

エンライトンメント.jpg

<これはいいアルバムだ。80年代に入ってからのヴァンのアルバムには、一種近寄り難い宗教色も強く感じていただけに、音作りに親しみ易さが戻ってきた本作は、正直言って、とてもうれしい。
大仰で思わせぶりなスタイルを洗い直し、もっとナチュラルですっきりとした演奏を心がけたことが手に取るように伝わってくる。①などがその典型的な例だが、前作から引き続いて参加しているジョージー・フェイム(元ブルー・フレイムズ!)のグルーヴィーなハモンド・オルガンや、ブラッシングを多用しながら軽めのリズムをステディに叩き込むドラムスは、演奏に爽やかな風通しを与え、重くなりがちなヴァンのヴォーカルをしなやかに舞い上がらせている。
ビートそのものは60年代のフォーク・ロック的であったり、ジャズ的だったりと、決して新しくはないのだが、まわりの空気を自然に震わせていくような、シンプルでニュアンス豊かな表現が素晴らしく新鮮だ。①②⑥~⑨にその成果は、端的に現れている。ヴィブラフォンやハーモニカあるいはナイロン弦を張った生ギターの使用も、柔らかな情感を漂わせることに成功したようだ。
歌の世界はいつも通り、詩的な広がりを感じさせる。かつての「クリーニング・ウィンドウズ」を思わせる回想的な①と⑦では、ヴァンに先立つ偉大なミュージシャン達の名前も並んでいる(RC・小尾)>
<ウィルソン・ピケットやジェームス・ブラウンなどソウル・シンガーの名前と歌詞を畳みかけるように歌いこんでいく①が終わると、その余韻を噛み締めるようにアルバム表題曲の②(“啓発”という意味)が静かに始まる。その流れがヴァンの長いキャリアを凝縮しているように思える傑作アルバムだ。ハミングバード出身のバーニー・ホランドが①⑥⑨で渋いギターを弾いている。なお⑤の続編は次作に収録された(ST・小尾)>

[目]
近作の好チャート・リアクションによって、すっかり精神的に余裕が生まれたのか、とにかくリラックスして音楽を楽しんでいるヴァン・モリソンがいます。
前作でソウル色が薄いと感じたのか、冒頭曲から典型的なホーン・セクションとソウル・ビートが弾けるなど、前作よりもソウル風の曲が増えています。
そして、本作も勢いそのままに全英チャートで5位。
実は、初めに述べたように、僕はこのアルバムをリアル・タイムでCDを買って聴いていますが(たぶん、雑誌で絶賛されていたから)、当時はインディー系のサウンドを好んでいたため、「洗練され過ぎていてつまらない」と感じたものです。まあ、60~70年代のソウルを齧るのも、その後のことでしたし、それから大人になったのか、こうしたサウンドの良さがよくわかるようになりました。最近は、当たり障りがない、と言っては言い過ぎですが、ロン・セクスミスだとかジャック・ジョンソンだとかレジェンダリー・ジム・ルイーズ・グループだとか、そういうサウンドを好んでよく聴いたりもします。
そんなわけで気づけば、ヴァンのアルバムの中で最も好きなアルバムの一つにもなりました。アルバム全体でサウンドに統一感があり、キャッチーなサウンドを持つアルバムです。
あと、当時は気にもしていなかったのですが、今回、「ジョージー・フェイム」という名前を目にしてとても懐かしかったです。というのも、彼のベスト盤を持っていて、以前、彼の代表曲「YEH YEH」(1966年全英1位)が頭にこびりついて、よく口ずさんでいました。すると、ジョージー・フェイムなんかとても知らないような知人が何気なく口笛で奏でていたのは「YEH YEH」で、無意識に伝染ったのでしょう。
ちなみにジョージー・フェイムもヴァン・モリソン同様、ブルー・アイド・ソウル・シンガーでした。

個人的評価 ★★★★

「Hymn To The Silence~オーディナリー・ライフ(1991年)」

オーディナリー.jpg

<“静寂への讃歌”というアルバム表題そのままに、人生の秋を受け止めているヴァンの姿がディスク2枚に亘って雄大に繰り広げられている。そのことに以前から変化はないのだが、音の輪郭は80年代に比べると格段にシェイプアップされ、少ない音で多くを伝えるといったスモール・コンポの美学が隅々にまで行き渡っている点が素晴らしい。ジョージィ・フェイムとの手合わせもこなれてきた様子で1枚目⑤や2枚目②などのじゃジーナ展開にフェイムの好みが反映されている。
再度、チーフタンズと共演した1枚目⑥では、レイ・チャールズのヴァージョンを下敷きにしつつアイルランドの響きを持たせるという異種交配ぶりが見事だし、1枚目⑨、2枚目⑤⑥に聴けるゴスペル~トラッド的な包容力は、ひとつの到達点かもしれない。なお、本作でのギター・パートはすべてヴァン本人によるものであり、特に長尺曲1枚目⑩における歌と対話するが如く雄大に繰り広げられていくオブリガードには、何とも言えない味がある。けっして流麗ではなく、むしろ不器用さ丸出しの運指なのだが、それゆえに音楽に真実味を与えている。ともあれヴァンのピークを描ききった90年代の大傑作と言えば本作だ(ST・小尾)>

[目]
2枚組大作とか「90年代の大傑作」とかいうキャッチ・フレーズに身構える必要はありません。
前作&前々作(オリジナル盤)では、「穏やか」とか「リラックス」といった表現が似合いましたが、それらの好セールスにすっかり気を良くしてか、余裕を持つことができたか、本盤ではそれらを上回るくらいに、気負いの欠片もなく、自然体で自らのやりたい音楽を演っています。勢い余って(?)、レイ・チャールズの超有名曲「愛さずにはいられない」まで演っているくらいです。
2枚組でなければ表現し切れなかったというコンセプト・アルバムではなく、自然体でやりたいように楽しんで演っていたら、2枚分くらいの曲が溜まってしまったという感じです。
それまでのヴァン・モリソンの集大成であると同時に、今後のサウンドを確立した前作&前々作(同)をも包み込み、その2枚でも表現収録仕切れなかった音楽をもフォローした2枚組アルバムです。
そうした意味において、本作はまさにヴァン・モリソン’sミュージックそのものなのです。
当時の勢いそのままに2枚組アルバムにも関わらず、全英アルバム・チャートで5位。
前作&前々作(同)のように冒頭曲で心をいきなり掴まれて、コンパクトにまとめられたアルバムを聴き終えるというのではなく、ジックリ長々とサウンドを聴かせるアルバムで、より幅広い音楽性が溢れ返っています。
ちなみに本作は販売中止となったリマスター第3弾販売予定だった上に、過去盤も廃盤となっているため、音源入手がやや困難です。

個人的評価 ★★★☆

「The Best Of Van Morrison Volume Two~ベスト・オブ・ヴァン・モリソン Vol.2(1993年2月)」

ベスト2.jpg

<前作“Vol.1”のヒットを受けて、93年にリリースされたベスト盤第二弾。カレドニア・プロダクション(=エグザイル)を設立後の79年以降の10枚のアルバムから13曲と、ゼムの2曲⑩⑪(ディランのカヴァー)を収録。宗教色を強めた時代から、引退騒動を経て、心機一転した時代まで、激動の80年代を中心に振り返った選曲で、アイリッシュ・ルーツを示すようになったヴァン・モリソンの変容の歴史も聴ける(ST・赤岩)>

[目]
既にレンタルしてi-podに入っているのですが、オリジナル・アルバムを聴き漁っているため、聴く機会がほとんどありません。
上記レビューにあるように80年代中心の選曲であり、ヴァンの全キャリアから満遍なく代表曲を収録したVol.1のおまけのような、あるいは「小難しい」というイメージだった80年代の曲も掘り下げて聴いてもらうことを狙ったベスト盤か。

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