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ヴァン・モリソン~Van Morrison ディスコグラフィー7 [Van Morrison]

「Too Long In Exile~トゥー・ロング・イン・エグザイル(1993年)」

トゥロングエグザイル.jpg

<93年6月リリース。全英4位/全米29位という好成績をマークしたのも納得の、素晴らしいアルバムだ。じわじわ盛り上がる①はキャンディ・ダルファーのサックスが出てくるあたりで“決まり”だし、ヴァンの無骨なリード・ギターが“まさにブルース”な②も凄い。当時のぼくは“ああ、また傑作だよ~”と嘆いたものである。だって、ロックが全般的に面白くなくなった80年代末期以降、ひとり気を吐いていたのがヴァンで、プロレスで言えばハーリー・レイスのような“時代に動かされない王道”を見せつけていたのだから。パンクだ、ニューウェイヴだ、テクノだ、スカだ、ニュー・ロマンティクスだ、ネオアコだ、ギター・ポップだと時代に踊らされた末に、すっかり自分を見失っていた30代半ばの僕は、このころ、ヴァンの新作が届くたびに打ちのめされ、情けない気持ちになっていたのである。
ジョン・リー・フッカーをゲストに迎えた「グローリア」も嬉しいが、ジョージィ・フレイムやロニー・ジョンソンらのツボを心得たプレイに乗って、円熟を極めたヴォーカルを聴かせるヴァンの男っぷりがたまらない。前作より微妙に劣るものの、これも“ヴァン・ザ・マン”の面目躍如たる大傑作(ST・和久井光司)>

[目]
近作の好チャート・リアクション。2枚組の前作でも全英5位を記録するのですから、怖いものは何もありません。やりたい放題で、ジョン・リー・フッカーをゲストに迎え、「グローリア」のセルフ・カヴァーまである。
というわけで、本作は非商業的とも言える(?)ブルース色を取り入れた楽曲を多く含むアルバムとなりましたが、これがまた全英4位になるのですから、ブルースを幅広い層に楽しんでもらいたかったヴァンにとっては願ったり叶ったりでしょう。
以後、ジャズ色やカントリー色を全面に取り入れたアルバムを発表できたりするのも、本作の成功が自信になったからではないでしょうか。
アイリッシュ・トラッド色を全面で展開した「アイリッシュ・ハートビート」のように、こうしたアルバムはヴァンにとっては作る必要性がずっとあったのでしょう。
ただ、序盤でブルースっぽい曲が多く並ぶも決してブルース一辺倒のアルバムではなく、ジャズっぽい曲なども多く含みますが、最近続いたポップ路線とは、明らかに作りの異なるアルバムです。
興味深いのは全15曲という初めてヴァンがCDフォーマットを意識したアルバムを作ったことでしたが、元々は1枚目6曲、2枚目9曲という、前作に続く2枚組構成だったようです。

個人的評価 ★★★

「A Night In San Francisco~ナイト・イン・サン・フランシスコ(1994年)」

ナイトインサンフランシスコ.jpg

<93年12月18日にサンフランシスコのメソニック・オーディトリアムで収録された二枚組ライヴ。ジョージィ・フェイムやケイト・セント・ジョンを含む八人編成のバンドに、コーラスのブライアン・ケネディとジェイムズ・ハンターという布陣での演奏で、ゲストはキャンディ・ダルファー、ジョン・リー・フッカー、ジュニア・ウェルズ、ジミー・ウィザースプーン。ヴァンのライヴがいいのは有名だが、これは度を超えた素晴らしさだ(ST・和久井)>

[目]
ライヴ盤は後回しのため未聴。

「Days Lile This~デイズ・ライク・ディス(1995年6月)」

デイズライクディス.jpg

<95年6月にリリースされ、全英5位/全米33位。ジョージィ・フェイムの不在を、ピー・ウィー・エリス編曲のホーン・セクションと、ケルト音楽の巨匠フィル・コウルター(P)の投入で埋めたため、「アヴァロン・サンセット」以降ほぼ決まっていた音が若干変化している。しかし、この路線もまた良いのだ。ヴァンの拭くハーモニカも過去最高の味を出しているのにも注目。大傑作連発のあとで分が悪かった一枚だが、軽く水準以上(ST・和久井)>

[目]
前々作で非商業的な「ブルース・アルバム」を作ったため、それによる一般リスナーのファン離れを恐れてか(?)、冒頭曲がいきなり超ポップなナンバー。それにしても、ヴァン・モリソンは各アルバムにおいて、冒頭曲でリスナーの気を惹きつける、「掴み」の上手いアーティストです。
本作では、特定のジャンルに偏らず、それらを融合したヴァン・モリソン’sミュージックを奏でられますが、冒頭曲以降は穏やかでミディアム/スローな高品質な楽曲が並びます。
そして、貫禄の全英5位を記録。

個人的評価 ★★☆

「How Long Has This Been Going On~ハウ・ロング・ハズ・ディス・ビーン・ゴーイング・オン(1995年10月)」

ハウ・ロング・ハズ.jpg

<長く共演が続くジョージィ・フェイムとのコラボ作で、ヴァーヴからリリース。ジャズ系のカヴァーが中心でヴァンのオリジナルは①⑥⑩⑭。⑥はジャズ・アレンジでの再演だ。スウィング感溢れてリラックスした雰囲気に、音楽を心から楽しんでいるヴァンが感じられる。録音はロンドンのロニー・スコッツ・クラブを一日借り切って、観客抜きで行われている。異色作とも言えるが、そう思わせない凄みが感じられる(ST・後藤秀樹)>

[目]
ヴァン・モリソンwithジョージィ・フェイム&フレンズ名義でヴァーヴからリリース。
企画盤のため未聴。

「Tell Me Something:The Songs Of Mose Allison~テル・ミー・サムシング~モーズ・アリソンに捧ぐ(1996年)」

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<孤高の存在といった印象を受けるヴァンだが、実はたくさんのミュージシャンと共演し、交友関係も実に広い。本作は、ヴァンを中心に、ジョージィ・フェイム、ベン・シドランも加わって、ベテラン・シンガー、モーズ・アリソンの曲を取り上げたトリビュート・アルバムとなっている。捧げられるモーズ・アリソン本人も参加しているのがミソ。アリソン自身、ヴァンに親しみを感じると言っていた。ヴァンの一つのルーツを見ると同時に、60年代のモッズ・シーン新たにゴージャスに繰り広げた面白さを感じ取ることができる。全編ヴァンのヴォーカルが聴けるわけではないが、彼のヴォーカルが登場する部分は圧巻。フェイムやシドランのスタイルとの相違もあるのだが、ヴァンの呼びかけのもと彼らが集ったことに意味がある。久々に聴けたフェイムのハモンドも涙が出るほど素晴らしい。純粋なヴァン・モリソンのアルバムというわけではないが、重要な作品だ(ST・後藤)>

[目]
ヴァン・モリソン、ジョージィ・フェイム、モーズ・アリソン、ベン・シドラン名義でヴァーヴからリリース。
企画盤のため未聴。

「The Healing Game~ヒーリング・ゲーム(1997年)」

ヒーリングゲーム.jpg

<ヴァンの音楽にはアイルランドの文学や精神性が登場し、癒しを求める心が歌われていた。97年の本作はタイトルもズバリの“癒しの遊戯”だ。円熟の域のヴォーカルはもちろん、バックの演奏ぶりは一層輝きを増している。迷いや苦しみからの解放といったニュアンスも感じ取れるが、精神的な安定が人間をどれだけ豊にするのかが感じ取れる大傑作。日本盤には二曲入りのボーナスCDが添付されていた(ST・後藤)>

[目]
上述もしましたが、ヴァンは冒頭曲における「掴み」の上手いアーティストです。
そして、今回も「掴み」にかかりますが、その第一音、第一声を聴いただけで、「ちょっと違う」と感じることでしょう。
一言で言うなら、とにかく「渋い」のです。
ポリドール移籍後はポップな曲調で「掴む」アルバムが大半でしたが、本作では明らかに違う作りです。
そして、アルバム全体の印象を言うならば、「円熟」味がタップリで、ヴォーカルも演奏もとにかく「大人の音楽」に徹しています。
アルバム・ジャケットのように、まるでゴッド・ファザーのごとく貫禄タップリなのです。
ヴァンも大物アーティストとして、こうした「大人の音楽」を表現することもあるよなぁと思っていましたが、もしかして96年に英国王室から「Sir」の称号を得たことと関係があったりして…。
全英10位。

個人的評価 ★★★

「The Philosopher's Stone~フィロソファーズ・ストーン~賢者の石(1998年)」

フィロソファーズ.jpg

<ヴァン・モリソンの凄さは、40年以上に及ぶその活動の中でほとんどブランクがないことと、40枚を超えるアルバムの中に駄作とか手を抜いた作品が全くないことだ。天才肌の創作の賜物であることはもちろんだろうが、おそらくは、圧倒的な集中力でレコーディングに精力を注ぐのだろう。98年に出された「フィロソフィーズ・ストーン~賢者の石」という二枚組の本作は、驚くことに全30曲がすべて未発表であり、すべて完成形だ。ディスク1には70年代の曲が並ぶ。特に④~⑪は「苦闘のハイウェイ」後のアルバム用に73年に録音されたもの。ジャッキー・デシャノンとのデュエット⑤や、「マダム・ジョイ」なんていう「マダム・ジョージ」(「アストラル・ウィークス」収録)絡みの曲もある。⑫⑬は「ヴィードン・フリース」期。そして空白期にあたる75年の録音が⑭からディスク2⑥まで続く。実際にその後、形を変えて陽の目を見たものもあるが、とにかく貴重で驚きの逸品だ(ST・後藤)>

[目]
ポリドールからリリースされた最後の作品。
企画盤のため未聴。

※RC…レコード・コレクターズ1991年3月号、ST…ストレンジ・デイズ2008年5月号。
※個人的評価は、
★★★★★ 歴史的名盤
★★★★   傑作
★★★    好盤
★★      ヴァン標準
★       ヴァン標準以下
として、やや辛口目に採点しますが、今後、聴き込んでいくうちに評価が変わるでしょうし、僕のコメントにもちょくちょく修正・補足等が加わるということをご了承ください。

ヴァン・モリソン ディスコグラフィ
第1弾 第2弾 第3弾 第4弾 第5弾 第6弾 第8弾 第9弾
おまけ
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